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【読見】乙嫁語り


森薫 『乙嫁語り』 1巻

 公式発売からフライングで入手していたので、公式発売日にある15日で紹介。
 季刊誌『FELLOWS!』の創刊から連載している『乙嫁語り』の第一集。そもそもFELLOWS!は全部買ってるし、保管してあるから単行本の内容に関しては目新しい物はなかったのだが、やはりカラーの表紙と、巻末の作者近況マンガそして、誰か使った人はいるのか、と言うアンケートはがきのために購入。15日発売のところ、水曜日に本屋に行ったら売っていたのでさくっと購入。
 中央アジアを舞台にした草原と嫁と馬とその他いろいろな物語。作者の書きたい物がこれでもかと詰まった作品。巻末漫画で「明日死んでも悔いのないキャラ作り」と宣言するほどやりたい放題。でも、そこが重要なんです。
 コミックナタリーの特集で、その作画風景が語られているのだけれど、1コマ15分以内で(書き込みすぎ防止)とか、結局1ページ書くのに4時間かかるとか、やはり、描画にかける熱意は尋常じゃないなと感じます。

コミックナタリー特集 Power Push

 氏の前作『エマ』でもそうなのだけれど、確かに主人公という形で1人の人物を中心に据えてはいるが、作者が描くのは、その主人公を取り囲む【世界】だ。そしてそれを事細かに表現する。衣装、装飾品、人々の生活、仕事、家族、自然 …etc
 主人公が【いる】世界、こそが、森薫の描く作品の魅力だと僕は考える。世界に対して異端であることで目立つ主人公もいるのだが、森薫の作品では【世界】そのものを主役とすることで、人々を際立たせる。
 森作品を読むとき、僕らはその【世界】を読んでいるのかもしれない。

【読観】オープンダイスキングダム

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速水螺旋人 『オープンダイスキングダム』 冒険企画局

 ”まよキン”こと『迷宮キングダム』関連の発行物に連載されていた漫画が一冊に。
 実はまよキン自体はやったことがないとか言う噂もあるが、それは置いておいて。
 過去に単行本としては、『馬車馬大作戦』があるが、それはどちらかというとイラスト集+コラム集みたいなもので、ストーリーとしての話が連続している物がまとまったのはコレが初めてかも知れない。(同人なんかで展開されていたりした場合には分からないけど)
 もっとも、この本の内容に関しては、まよキンどころか、TRPGを知っていようが知っていまいが関係なしにおもしろい。もっとも、TRPGを知っていればさらにおもしろく感じることも確か。はしばしに現れる小ネタの悪のり感がまさにゲーム中の与太話そっくりなのがその証左。
 Amazonでは取り扱ってなかったり、都内のそれなりな本屋に行かないと売っていなかったりと、敷居は高いが、敷居を超えた先の心地よさはある意味中毒性のある世界である。 

【小説】連続おかわり

いちいちスキャナ取るのがめんどくさくなったので、アマゾン用プラグインを入れてみたり。
これで画像が持ってこれなかったらスキャナにするか。
しかし、スキャナ稼働率下がるなあ。

小川一水 『復活の地』 I〜III

 最初、1巻だけ買ったんですよ、お試し的に。
 気づいたら翌日2〜3巻を買って、その次の日には読み干してました。ありがちなSF戦記物かと思ったら全く違う内容。1巻の大部分を使って描き出される災害の実況的著述に感動すら覚えた。
 あ、僕、性善説的なお話は大好きです。

友達100人できるかな

友達100人

とよ田みのる 『友達100人できるかな』 1巻

『ラブロマ』で、真っ直ぐだけれどどこか不器用な愛のカタチを、『FLIP-FLAP』では、フツーな男が見つけ出す、どこかフツーじゃない絆の物語をと、斜め上の切り口から展開される直球ど真ん中のテーマをテンポ良く叩きつけてくれたとよ田みのるの最新作。
 宇宙人の侵略から地球滅亡を防ぐため、平行世界の小学生時代の自分になった小学校教諭・直行(36歳)が、宇宙人に愛の形を見せるために、友達を100人作るって物語。
相変わらずの斜め上の設定だけれども、登場人物のだれもが、何かに真剣で真っ直ぐな、とよ田節は健在。アフタヌーンの月刊連載で毎週1人計算だと100人集まるのは8年後という長期連載(予定)。毎月読んでもおもしろいが、単行本で一気に読んでもまたおもしろい。

 と、ここまで書いて気がついた。
 愛のカタチを研究にきた宇宙人”道明寺さくら”は僕ら読者、そして友達を作る柏直行こそ、作者とよ田みのるなんじゃないかと。
 そう、僕らは、とよ田みのるに、もっともっと愛のカタチを、絆のカタチを見せて欲しい。
 とよ田作品を読むたびに、そう思えるのだ。

道明寺

クールな筆致の推理ロマン傑作

でました。

『クイックセーブ&ロード』 鮎川歩

畢竟するに、那由多の疎遠に連なる幽境を過日の丁巳に評するならば、
輝線を庫雄するにあたり、その雲夢たる壁説を何毅すべく歴々と天下の下に未蒙的な既視感を纏う長久性を齎し、
かつ、朔論的討究の粋を持った士寧の対たる説旧を伏す演繹性は、根源的なオルトセンティズムの萌芽にも似たキュクレイ的マナクシビティを意図も容易く顕現している。
そう、まさに、アルファがベータをかっぱらったらイプシロンしたのである。
これはもう読むしかない。
CS&L
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4094511555/hatena-hamazou-22/ref=nosim

さあ、さあ、さあ!

(先生何かおごってください)

僕らのサマーウォーゲームズ

『サマーウォーズ』のモロネタバレですのであしからず。

 先週の日曜日にいそいそと新宿はバトル9まで出かけてみてきました。
 間違えて最初ピカデリーに行ったのは内書です。あんまり行かないからなあ、バトル9。
 エレベーターが大混乱だったのでエスカレーターで9階へ。エレベーター前のカオスっぷりは営業的にどうかと思うんだが。サービス的に良くないぞと。

 で、映画。
 基本的に前情報無しで見に行くのを信条としているので、ほぼあらゆる情報をカットで臨む。
 
 9年前に『ぼくらのウォーゲーム』でその名前を世に広くしろしめた細田守ではあるが、やはり2006年の『時間をかける少女』までは、知る人ぞ知る、と言うレベルを出ることはなかったはずである。
 「時かけ」のヒットにより、僕らのようないわゆる「オタク層」以外の一般層(と言うものの線引きが今どんな状態になっているのか、こちら側にどっぷりはまっている自分には想像できない)に対してある程度のネームバリューを持つことになった細田守が、改めて、『ぼくらのウォーゲーム』を世に問うてきたんじゃないかと思えるのが、この『サマーウォーズ』だ。(すくなくとも、分母の数が0一つ二つは違うんじゃないかと思う)
 ・・・・・・それほどまでに、終盤のプロットが似通っていたことも確か。とはいえ、(僕の中でそう理解しただけではあるが)細田守が描きたかったことを、40分しかない「ぼくらの〜」に納め切れていなかった、と言うことで115分の本作に持ち込んできたのか、と思えないこともない。
 もっとも、それは僕の個人的な感想であって、実際に細田守がこの映画に込めたメッセージとは違うのかもしれないけれど。(ゆえに、細田守が伝えたかったこと、と言うのをここで書くのは控える。的外れだったなんか嫌だなあってのもあるけれど、元来、自分の意図は100%他人には伝わらないよってのが僕の持論でもあるから、ある事柄の評論ってのが基本無意味だなあと(色々全否定))

 ゆ・え・に、
 ラブマシーンがディアボロモンかぶるとか、落下する人工衛星が核ミサイルとかぶるとか、夏希先輩を応援する世界の声がオメガモンを応援する世界の声とかぶるとかそういったたぐいの批評は一切排除。僕が理解したこの作品の持つ意味を考えると、その批判は的外れと言わざるを得ない。
 原作を読んだことのないアニメ版の視聴者に対して、それは原作と内容一緒だと言っているに過ぎないので。

 じゃあこの映画を見る上でのポイントは何、とかになっても、僕はそんな大それた事は言えないし、言う気もないし、そもそもそんなことを言うこと自体無意味な気がするし。元来、批評なんてつまらないものはないと思ってるし、減算評価するようなのは好きじゃないので。

 結局の所、僕はこの映画を115分楽しめましたよと。なんと言っても、細田守の描く夏の表現が大好きな僕としては、端から端まで楽しめました。「時かけ」では都会の夏風景を丁寧に描いてましたが、今作では田舎の夏の表現を至極丁寧に描いてました。
 都内では望むべくも無いあの縁側がすべてだと思ってます。(台所に親戚が集まって食事を作るとかは、田舎出身の身としては懐かしく思えた。お祭りとか、お盆とかでよく見た風景 )
 そして青い空と白い雲。秋ほど高くはないけれど、太陽光が強い夏の青空の表現はたまらないと。

 ・・・なんかとりとめなくなってきたな。詫助が貞本絵の特徴出過ぎて笑ったとか、そういったこともちらちら。
 まあとにかくは、115分楽しめたことは確か。

梅雨空の七月

「実は梅雨、明けてました」と、今年も気象庁のおきまりの宣言で始まった7月も気づくと後半。ほぼ毎日ツールを見て云々な日々を続けて3週間。新城が5位に入ったり、別府が8位に入ったり7位に入ったりと、ここ数年にない注目度で毎晩他のことができない日々。
CS見っぱなしだと、地デジの録画ができないと言うことで、TVキャプチャを買ってみたら、肝心の地デジ電波を引っ張れないとかさんざんな状態。それでもまあ、地デジとCSが同時に観れないという状況は脱してるので良いとしつつ、地デジが観れないのはおかしいのでとりあえずサポートにメール。ネット界隈を調べるとどうやら色々曰くのある機種のようで。
そんなこんなでも、今日も平和に漫画を買う僕です。

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志水アキ 『魍魎の匣』 3巻
が相変わらずの描きっぷりに惚れてみたり、雑誌の『コミック怪』連載分がすごいことになってたりと色々買ってはいるけれど、今月のマストでベストでクールでヒップな何とやらは、

藤子・F・不二雄大全集 『ドラえもん(1)』『オバケのQ太郎(1)』『パーマン(1)』 に尽きると言っても過言ではないだろうと。

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 さすがに、何話か読んだことの無いのも混じっているので大満足。
「夜の世界の王様だ」は最初に読んだときから欲しい道具の一つだったなあ。「眠らなくても疲れない薬」今考えるとかなり危ない薬だ。
 原稿欠落につき印刷物より複写とのことなので、単行本からかな。等々楽しみながら読める。
 そろそろフジコ専用棚作らないとなあ。

6月の記憶

6月に買った記憶があるモノ。
まだある気がするが、すでに忘却の彼方。

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いくつかピックアップ。

鴨居まさね 『君の天井は僕の床』  1巻

 クイーンズコミック。4X歳のヒロインを中心にした連作短編集。
 良い。

重野なおき 『信長の忍び』 1巻

 ギャグマンガに見えて、細かいところが妙に凝っている漫画。ちゃんと戦国しているところが凄い。

磯本つよし 『エナ』

 サイボーグと女の子の組み合わせの最強さは反則。

森見明日 『ウェンディ・ペイン』 1巻

 某月光なんとかとネタがかぶってるけど、今のところこっちの方が(ry
 いや、信じてますよ、信じてますよ、後半きっと盛り上げてくれることを。
 
ざら 『ふおんコネクト』 2〜3巻

 むかし1巻だけ買って放置していたのを、3巻までまとめ買い。
 ネタのマニアックさについてこれるなら買い。3巻の濃さはギリギリ一般人はOUTレベル。

『ちはやふる』とか『町でうわさの天狗の子』とかは俺が書くまでもなくなので割愛。
あと、ようやくおがきちか『ハニー・クレイ・マイハニー』と『チカマニアックス』を買えた。ハニーは良いよハニーは。

たまるたまるポイントたまる

 一昔前は、CDショップか家電量販店くらいでしか見かけなかったポイントカードシステムも、
いつの頃からか、飲食店や書店など、あらゆる業種で見かけられるようになって久しいけれど、
僕のポリシーとして、書店のポイントカードだけは持たないようにと思っていた節がある。
 どこかの書店でポイントカードを作ってしまうと、そこの書店以外で買うのをためらわれるという根本の貧乏性ゆえにだ。
 (もっとも、ポイントカードの機能として、それはそれで正しいことなのだが)
 本、特に僕の場合は漫画本を、思いついたり見かけたりしたら、近場の書店ですぐに手に入れることが出来るというのは、
結構重要なファクトだったのだ。
 という、これまでのポリシーをくるりと翻し、6月の頭にポイントカードを作ってみた。
 COMIC ZINがちょうど6月末に新宿にも出来ると言うことで、秋葉原店で買い物をしたついでに。

 結果。
 6/29の時点でポイントカードが貯まりきってしまった。
 #新宿店オープン記念で+10ポイントついているのだが。
 それを差し引いても、ポイント500円で換算して25000円。
 なにに使ったんだなににと。

 詳細はまた別途。
 しかし、コミック専門店で良かった。
 これでゲーム関連も扱ってたりしたらたいへんなことになっていたところ。
 #とは言え、イエサブが9時には閉まるので、23時までやってる書店で買えるのは便利と言っちゃあ便利ではあるのだが。

【漫画】5月のそれなりに

5月もそれなりに漫画色々買ってまして。

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おがきちか 『ランドリオール』 14巻

ヤソンも書いてるけど一休み的な巻。
それでも、フィルの叙勲は良かった。ここらへんうまいよなあ。

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藤堂あきと 『パーツのぱ』 1巻
『ハニカム』と同じく、週刊アスキーで連載中。
パーツ単体は買って事はあるが、そういや1から自作ってしたこと無いなあ。

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みなづき忍 『総天然色 乙女組』 2巻

よくあるアレ系。まあ、こういった系統は安心して読めるので、だらだら読むにはやはり最適。

tdk1

竹田エリ 『とりどりことり』 1巻
密かにYJで一番連載が楽しみなモノだったり。
仏教系ってレアだよなあと。

jm100

秋★枝 『純情ミラクル100%』 2巻
気付いたらなんかいろいろなところでプッシュされ気味。
あいかわらず腹の周りのふくよかさ。

djpr4

高木信孝 『でじぱら』 4巻
電撃随一の蘊蓄漫画。
連載で読む分にはいいが、コミックにまとまると、情報が古く感じるのは、テクノロジーが日進月歩だからか。
でも、この作品のせいで家にAVアンプがやってきました。

ybs2

岩崎つばさ 『突撃 第二やまぶき寮』 2巻
完結。
寮とか下宿とかの共同生活モノには、やはり多大なるノスタルジーがあるよなあ。

motemote

ながいけん 『新装版神聖モテモテ王国』 1巻
今月の目玉。
これはうれしい。
ファーザーのセリフ回しにもうメロメロ。

その他
『はじめてのあく』1巻とか、『桜欄高校ホスト部』14巻とかさまざまに。