ブラジル 3-0 アルヘン
Goal
ブラジル:4′ バプチスタ、40′ O.G、69′ ダニエル・アウベス
今大会、おそらく世界でも最高クラスの攻撃ユニットを組んでいたアルヘンだが、ドゥンガの組み上げたセレソンの壁に見事に阻まれた。
1.5軍と揶揄されたブラジル代表だが、ドゥンガとしてはカカとロナウジーニョが招集できないことはもしかしたら折り込み済みだったのかもしれない。
4バックとダブルボランチの堅さは、攻撃を司るリケルメを完璧に押さえ、アルヘンの攻撃はそれによって機能不全にならざるを得なかった。
前半早々の得点が、ブラジルのプラン-リケルメを押さえ、中盤でボールを奪い素早くカウンター-をより確実なモノにし、逆にその失点がアルヘンのこれまでの攻撃の形を不安定なモノにさせた。
アルヘンは、中央からの攻撃に固執しすぎた。2点目のアジャラのO.G、3点目のダニエル・アウベスのゴールは、どちらもカウンターから生まれている。
メッシやリケルメのドリブルでFKを得ることは出来るが、セットプレーはことごとくブラジルの壁に跳ね返される。メキシコ戦で見せた中盤からサイドのFWへの効果的なボール配球が出来ず、結果、ボランチの押し上げも形を潜めた。
もっとも、サイド攻撃を生かせる交代の人材が存在しなかったと言うこともあるし、追いかける展開の際に、頼りになるストライカー、クレスポを予選の怪我で欠いたこともあるだろうが。
それに対し、ブラジルの守備はよく組織されていた。つまらないと批判を受けたドゥンガのセレソンは、「勝利へ」と言うプランを完璧に遂行して見せた。ただ、仮に今回のセレソンにロナウジーニョやカカがいても、ドゥンガの求めたモノは同じだったのではないか。
アルヘンには「ノスタルジー」があった。
しかし、セレソンには、それ以上に強い「現実」への欲求があった。