とよ田みのる 『友達100人できるかな』 1巻
『ラブロマ』で、真っ直ぐだけれどどこか不器用な愛のカタチを、『FLIP-FLAP』では、フツーな男が見つけ出す、どこかフツーじゃない絆の物語をと、斜め上の切り口から展開される直球ど真ん中のテーマをテンポ良く叩きつけてくれたとよ田みのるの最新作。
宇宙人の侵略から地球滅亡を防ぐため、平行世界の小学生時代の自分になった小学校教諭・直行(36歳)が、宇宙人に愛の形を見せるために、友達を100人作るって物語。
相変わらずの斜め上の設定だけれども、登場人物のだれもが、何かに真剣で真っ直ぐな、とよ田節は健在。アフタヌーンの月刊連載で毎週1人計算だと100人集まるのは8年後という長期連載(予定)。毎月読んでもおもしろいが、単行本で一気に読んでもまたおもしろい。
と、ここまで書いて気がついた。
愛のカタチを研究にきた宇宙人”道明寺さくら”は僕ら読者、そして友達を作る柏直行こそ、作者とよ田みのるなんじゃないかと。
そう、僕らは、とよ田みのるに、もっともっと愛のカタチを、絆のカタチを見せて欲しい。
とよ田作品を読むたびに、そう思えるのだ。